Column


February 28 - column - 3つの条件

質問
まずあなたが理想の恋人に求める条件を3つ挙げてください。
では、次にその3つの条件を兼ね備えた異性が、二人同時に「つきあってくれー」とあなたへ言ってきたとします。もし二人のうちどちらか一方しか選べないとしたら、あなたは二人のどこの差で最終的な決断を下しますか?
(差は3つの条件に入っていてもいいし、もちろん理想は二人とも兼ね備えているのですからそれ以外で構いません)

 さて、あなたの決断は?
 実はこの質問の回答が意味することは「あなたが前提条件として異性をチェックするポイント」です。
 オパーイ、性格、一緒にいる時間が多い、などと様々な答えがあるとは思いますが、単純に「顔」とホンネを出す人が多いようです。
 ぼくの3つの条件は「好みの顔、しっかりしていること、太りすぎていないこと」。回答は「両親や周囲の友人たちとうまくやっていけること」でした。
 どうやら周囲の評価に弱いようですねぼくは。こんなところにも属性が表れてます。飲み会のネタにでもどうぞ。


February 27 - column - ブルーなとき

 ベッドの下に隠してあるHな本が知らない間に整頓されていたとき


February 26 - column - 裏腹

 今日は些細についていなかった。
 学校で会社見学に行った。印刷の現場を知ることのできた良い機会だった。見学は無事終わったのだが、急にクラスでお好み焼きやに入ることに。実はクラスの一人が就職を決め、中途で学校を修了する。送別会をやるというのだ。当日突然言われて困るが、用事のある数人を除いて先生まで参加する様子。
 ぼくは細々としたものを池袋に買出しに行こうと朝から考えていた。とくに頼まれているCDのバックアップに使う、CD用レーベルは、早いうちに用意しないと来週になってしまう。明日・明後日とどうやら居残って作業しなくてはならないだろうからだ。頼みごとは片付けないと落ち着かない。いつでもいいし、なんでもいいと言ってくれてはいるが、明日にでも欲しいだろうし、ちゃんとしたやつを渡したい。
 ぼくはとりあえずみんなと別れて買出しに出た。ちっくしょう、いまみんな盛り上がってるんだろうなあ、と思いながら。このメンツは愉快なのだがいつ終了するかわからない。店が終わってしまっては困るし、できれば長く参加したいからだ。1時間ほどで買い物をすませてクラスメイトに電話すると、戻ったころには終了しそうだという。今日は早い時間だったこともあり、酒は控えめにみんなで食事したようだ。それでもテンションは抜群に高い集まりだったろう。こういう些細な裏腹がぼくには多い。素直に行動すればいいものを、妙に計算して失敗してしまう。そうして損した気分で帰る。自分のいないところで楽しいことが起こっているのではないか。味わいそこねたシーンを薄く想像しながら。
 ぼくは残念だが参加を諦めて、家に帰ることにした。お好み焼きは食べたかったけど、家で夕食をとれば節約になる。
 そう納得させて家に帰り着くと、母親が出かけていた。事前の通知なしに、出かけることなんて滅多にないのに。おまけに冷蔵庫は空っぽで、いまカップラーメンと冷凍のたこ焼きを食べて飢えをしのいでいる。
 別にどうということもないけど、こういう日って、ありませんか?


February 25 - column - バレンタインデーの戦績

 酔った秋月がくだらないことを言い出した。男五人。気の置けないやつばかり。
「バレンタインデーのさ、戦績を発表しようぜ。
 勝ち、は本命チョコ。
 分け、は義理チョコだな。
 負けは……欲しいと思ってた人からもらえなかった数」
「いいね〜絶対この人からはもらえるって確信しててもらえなかったら負けだろ?」
 そんな確信をしたことなんて、一度もないけど。ぼくは苦笑しながら友人の戦績を聞いていった。みんな圧倒的に負けがこんでいる。なんで負けが2つも3つもつくのか不明だが、ぼく自身も0勝0敗1分。1分は学校の女性陣が全員平等にカンパして男性陣へ配給されたものだ。負けはついていないけど、対象がいないのだから不戦敗と言えるかもしれない。
「先輩は1勝確実でしょ」
 さっきから無口になった先輩の番になった。ぼくらより6つほど歳が上の先輩は、唯一メンツのなかで彼女がいる人だった。
「……俺はまず1敗」
 うおう、とみんなで呻いた。だって、彼女がいるくせに他に欲しい人がいるのかよ。つきあって一年だし彼女はまだ21歳でひと回り違ってうらやましすぎるくらいなのにこの人はとんでもねー……
「え、じゃあ1勝1敗ですか?」
 一人が聞いた。先輩はぽつりと答えた。「0勝1敗」
「はあ?」
「バレンタインデーさ、実家に帰ってて。そんな日もあったね、だってさ」
「……」
「1敗」
「……」


February 24 - column - KENSEI魂ニュース?!

 今日は煎餅屋さんの部屋に押しかけました。
 昨夜秋月と飲んだくれた流れでぼくの家に秋月が泊まり、日曜の予定が二人ともなかったために煎餅屋さんの地元を襲撃しようということになりました。途中凩くんも呼び出して、煎餅屋さんを地元で捕まえます。ところがじゃあ飲みにでも行こうというときに、煎餅屋さんの所持金があと550円しかないことが判明したのです。ならば酒を買って煎餅屋さんの部屋で飲もう。安あがりだ、と提案したら煎餅屋さんは急に不機嫌に。給料日前日とはいえ自業自得だ、と強引にあがり込むことになりました。
「じゃあ1時間だけ待ってください。絶対。1時間」
 彼がそう言うのでぼくらは酒屋でビールとつまみ、白ワインを買い、近所の定食屋で夕食をとって1時間半暇を潰し、彼の部屋にあがりました。
 彼の部屋は、なにを1時間半片付けたのかまったくわからない有様でした。CDやDVDが山のように積み重なり、なぜか「アーケードの筐体」や「同級生&同級生2のポスター」が1箱(1ロット)積んであります。中央のスペースに四人が車座で座ると膝がくっついてしまいます。手を伸ばすと同人誌がいくらでも読み放題で、なにがどこにあるのか本人にしかわかりません。一番目立つ場所に「フルーツバスケット」のDVDとコミックスが置いてあります。チェックする頻度が高いのでしょう。凩くんもそうですが、もしなにか事件を起こしたら確実に原因は「フルーツバスケット」のアニメになってしまいます。
 腰を落ち着けると天井に、「Natural ZERO」のA全判(1680×1188)というありえないサイズのポスターが貼ってあることに気づきます。“お兄ちゃんへ”とキャッチコピーが書かれていたので次回からみなさん煎餅屋さんを“お兄ちゃん”と呼んであげましょう。
 白ワインを飲みながらいつものバカ話に花を咲かせましたが、秋月の冗談が最近2ちゃんねるを基準にしているのでネットって怖いな、と感じました。「フルーツバスケット」が煎餅屋さんおすすめの作品ということで第14話、第8話を鑑賞。面白いし、参考になることの多い作品です。ただ少し引っかかりを覚えたぼくが、
「凩くんが最近出してくるネタってフルーツバスケットの影響かなり受けてるね」
 と素直にコメントしたら、急に無口になった凩くんが印象的でした。秋月は鑑賞中に謎や設定を質問ばかりして相変わらず伏線というものを理解できていないということを教えてくれました。
 秋月と凩くんお疲れ様。そしてなにより突然の来訪に戸惑いつつも迎え入れてくれた煎餅屋さん、ありがとうございました。
 だだ「Natural ZERO」隣に「ガンパレードマーチ」と「アイドル天使ようこそようこ」のポスターが貼ってあったのはぼくと煎餅屋さん二人だけの秘密です。

 KENSEIは煎餅屋お兄ちゃんを心から応援しています。


February 23 - column - ここは禁煙ですが

 みんなコラムを読んでいろいろ言ってますが安心してください。
 ぼくは作家にモラルなんざ求めちゃいません。


February 22 - column - 意識化

 昨夜掲示板に書き込んでくれた“坊や”と久しぶりに会って話した。いつも刺激を与えてくれる友人というよりは好敵手だが、今回も相変わらず「生まれながらにして高い次元の存在(本人談)」だった。いまごろXBOXでデドアラ3に励んでいることだろう。
 坊やとの話の中で考えたことなのだが、クリエーターに必要な姿勢とはつまるところ「無意識に行われていることを意識化して、理論化し、作品に還元する」ことに尽きるのではないか? もしかするとすべての仕事に当てはまるかもしれないが。
 言葉にできれば物事は解決する、というのはあるデザイナーの言葉だ。雪掌編の評判が奇妙に高く、戸惑っている身としては重要なメッセージのように感じる。ここのメンツにも言われていることなのだが。
 なにが良くて、なにが悪いのか。言葉で説明することは実際難しい。しかし説明できれば自分にも取り入れることが可能だ。そして自分自身の作品へ真に反映させることができる。
 わかっているはずの論なのだが、わが身に起こってようやく理解できる。この矛盾。もう一歩踏み込め。今の自分に言い聞かせよう。


February 21 - column - ぼくら@スピード時代のやり方

 訓練校に通うようになってから、ノートやメモをとるのに必死さが増した。アプリケーションの講座は実技中心なのだが、合間に要点だけではなく経過すべてを書き留めるようにしている。見直したときもう一度繰り返すことができなければ意味がない。自作のマニュアルを作ってしまおうというわけだ。学生時代はやりながら覚えればいいと気楽に構えただろうが、実は苦労した経験が直前にあった。
 訓練校に通う直前、ぼくはとある書店でアルバイトしていたのだが、その書店は煩雑な処理が必要な書店だった。まずPOSレジではない。これだけでレジはかなり勝手が違う。カバーやしおり、販売システムや作業形態・書誌分類なども独特な書店で、以前にも書店を経験し、その前にはコンビニエンスストアでアルバイトして体で憶えてきたことがまったく通用しない。
 そんなことお客さんにわかりはしない。また荷物は待ってくれない。社員さんや同僚に迷惑をかける日々が続いた。しかし毎日同じ状況がやってくるなら体に染み付いてくれるのだが、三日おきとか、一週間おきに対処できない状況はやってくる。多少仕事振りに自信はあったのだが、自分に愛想をつかしたくなった。
 そんなときそろそろ後輩に仕事を教える立ち場になっている友人たちが「あいつらメモをとらない」と嘆いていることを思い出したのだ。結局その書店は満足いく状態になったころには辞めることになってしまった。

 訓練校でもメモをとらない人は意外といる。一番困ったのは、実技の時間一切メモをとらずにいて、自分で作業を進める段になると必ずやり方を周囲に聞いてくる人だ。うっかり聞き逃すことは誰にでもあるし、ぼくだってよく周りに教えてもらう。ただその人は毎回同じことを繰り返していた。教えればば簡単にやってみせるのに、覚える気がないのか。それとも習慣なのか。席が隣なので話すようになると段々質問がぼくに集中するようになってきた。
(このままだとこの人は伸びないなー)
 と感じて距離を置いたのだが、ある日腹痛を訴えて早退したきり来なくなってしまった。なにが起きたのかは不明だ。

 ある友人は後輩に必ずメモを取れ、と忠告するという。
「これが俺らの時代のやり方だ、ってね」
 昔は体で憶えさせる猶予があった。しかし現代は情報の量も変化のスピードも圧倒的に増していくばかりで逐一記憶はしていられない。また不況下で二度三度教えている余裕もない。仕事を学んだり盗んだりしていく時間はない。一度しか言わないからメモをとれ……そういう時代なのだ。
 メモをとらない人は中年以上の男性に多いという。
「少し前までは口で伝えていた。いまはドキュメントでやりとりする時代」
 情報量の密度が口頭と文書では桁違いだ。メモはもっとも手軽な文書情報なのだ。
 ワークシェアリングが叫ばれているこの状況で、メモをとることは最大の情報効率化における手段である。無意識における経験を、意識的にマニュアル化していくことが生き残りの道なのだ。


February 20 - column - ここは禁煙

 ぼくは友人の間ではタカ派嫌煙族として評判が浸透している。ほとんど憎むくらいの嫌いぶりだ。しかし飲み会のときは文句を言わないし、マナーを守る人は尊敬する。ぼくが人物を鑑定するポイントは携帯用灰皿を所持しているかどうかだ。ここでぼくと長くやっていけるかどうかがわかる。
 大学生のころは駅のホームで喫煙する若者を注意するのが楽しみだった。ルーズな服装の若者の数人組を注意するときの高揚。なかなか味わえない気分だ。
 しかし注意→死が直結してしまっている今日この頃。自分一人ならできることだが、友人などと連れ立っているときはなかなか難しい。彼女やたとえば子どもなんか連れてあるく状況では我慢しなければならないことが増えるかもしれない。一度ヤクザっぽいおっさんに絡まれて冷や汗をかいた経験があり、それ以降徐々に「にこやか」な注意を心がけるようにしている。欺瞞に満ちたスマイルはある意味吹っ切れた爽やかさだ。
 ある日JR線の車内で喫煙しているオヤジを見かけた。通勤時間ではないので車内はガラガラに空いていたが、五人くらいは乗っていたと思う。なかなかダンディな印象のオヤジがシートで悠然と紫煙をふかしている。ぼくは愕然となったが冷静にアタマを回転させた。そっと脇に腰掛けて、真面目な顔をつくる。
 そしていかにも舎弟からのたしなめといった雰囲気でささやいた。
「兄さん、車内禁煙です」
「……ああ、そうか?」
 オヤジは頓着なくぼくを眺めると、床にタバコを落として靴底で踏み消す。ぼくはそのさらなるマナーの無さに内心「うわっ」と感じるが目的を達して安堵した。
 これを智慧と呼ばずして、なにを呼ぶか?


February 19 - column - 敗北を抱きしめろだあ?

 ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」を読んでいたのだが、適当に流し読みして終わらせることにした。
 序文でいかにもアメリカ的な偏見と欺瞞に満ちた文章に、苛立った。本文を10ページ読んだところで怒りのあまり読めなくなってしまった。怒りで本が読めなくなったのは久しぶりである。
 第二章に入ったところであきらめて内容を把握することにのみ専念した。アメリカのリベラルな人間がどんな風に日米戦争と結果をとらえているか、参考になる。この陽気な倣岸さにはあきれ果てるしかない。米国人にとってはかなり正当……フェアに書いているつもりなのだろう。
 当時の日本人の様子がまとめられているので知識のたくわえにはなる、かと思いきや、より戦後史に詳しい人間に話を聞くと、当時の様子さえも片面のみが語られていることがわかる。危うくマインドコントロールされるところだった。そう知ってから読み直すと事件の解釈もひどく都合がよく、資料も引用も読むほどに胡散臭くなっていく。戦前・戦後の本は多少読んでいたのだが、占領期の本は初めて読むので納得するところだった。そのあたりに自分の情報分析力の低さを感じて、苦笑してしまう。
 これを貴重な本と持ち上げる人間がいる。いまのところ読む必要性をあまり感じないが、おそらく多くの日本人が信じている「戦後史」がここに描かれている。アメリカ人がこんな虚構を信じるのは勝手だ。ただ宣伝にのって、日本人までが信じている。それだけ占領軍の洗脳が完璧だったということか?


February 18 - column - ああそうさ。体験さ。

どーせ俺は脳内だよ!


February 17 - column - 彼女の課題

「恋してるとひどく辛かったりするけど、してないとさみしかったりしない?」
 女性二人と話をしていたとき、言われた。ぼくは無言で首をかしげる。そんな感情をしばらく意識していなかったからだ。
「うん。わかる」
 もう一人の彼女がが答えた。すると「彼氏いるの?」という質問が続けて飛んでいった。
「うーーーーーん」
 たっぷりと息を引き伸ばした彼女は、しばらく悩んでいたが否定しない。
「へぇ、いるんだあ。結婚するの?」
 重ねられた問いに再び「うーーーーーーん」とたっぷり長い返事をしながら、眉根を寄せて宙に目を凝らしている。
「結婚するんだぁ」
 ほのぼのとした感想がかけられたが、彼女はちょっと拗ねているように言った。
「……でも課題が山積みだよ」
 ぼくは二人のやり取りに苦笑して言う。
「いいじゃないか。課題さえもらえないこともあるんだから」
 きっとまだ微妙な位置に彼女と男性はいるのだろう。彼女は結婚も次付き合う相手とは視野に入れている。男性は伴う経済力や安定性が不足しているのかもしれない。でもそれは課題だと彼女は言った。
 女性が男性に課題を与えた時点で、男性は課題をクリアしているのだ。逆説的な文かもしれない。しかし課題は、解決を内包している。未解決という結果も女性にとっては解決の一つに過ぎない。
「あーあ。誰か課題を山積みにくれないかなあ」
 ぼくはつぶやく。それなら解決の仕様があるからだ。さみしいという感情と少し違う。奥歯をゆるくかみ締めるような、諦め。
 誰もいないから孤独なんじゃない。あなたがいないから孤独なんだ。古い洋楽の歌詞を思い出して、そうか失恋も恋しているうちなんだ、と悟った。


February 16 - column - 占い

 うちの掲示板で流行っている姓名判断をやってみました。
<社会運>技術系、アイデア商売で才能発揮。順応性大きく成功。
<家庭運>常に不満を心中に宿し、他人との意志疎通に欠ける。女児に恵まれ、男性は断種手術。
<天格>女傑が出やすく美人の誉れ高い家系。運の強い女性を迎えて家は栄える。
<人格>プライド高い、負けず嫌い、口が悪い。周囲への影響力大きく尊敬される。冷淡。
<地格>親をしのぐ実力者となり家名をあげる。女性は男勝り、信用抜群。男性はハッタリ強いが統率力あり。
<外格>目と髪が魅力的。人見知り、誠実、義理堅い、男女共色難あり。
<総合運>常に前向き、妥協せず願望成就。口は悪いが心は純真で感激屋、良きライバルがいれば大成功。
<特徴>
・恋愛結婚をする。
・人のあつかいが上手で如才がない。
・外交的手腕にたけている。
・犠牲的精神が旺盛である。
・経済観念が発達している。しまり屋であるが、反面乱費型もいる。
・ホントのようなウソをつく。
・別居することもある。

男性は断種手術って……なんかすげーあっさりと書いてあるんですけど(泣)
なんなの? なにが起こるのこれから(ToT
結構あたってるだけに怖いよー!


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