anarchist's shortstory
(゚∇^*)⌒☆
秋月ねづ

映画原作を読む利点
一人で映画に行くのは酷く寂しいものだ。

平凡な男の日曜
最近、僕は変わった男だと言われる。

引越し
煙草の灰が畳に落ちて、春風に飛ばされていく。

「虹色の雪」
「ねえ、お兄ちゃん。何か話をしてよ。雪の話」

ずぅ。
でね、その僕の友達は、外見がまるっきりジュゴンなんだ。

アルバイトの娘
僕は恭子ちゃんというアルバイトの女の子に一週間に一度くらい『嫌い』と言われる。

喪服
「さっさと流れ出ちまえよ」

永久機関の底で
俺はあるバーに向かって歩いていた。

迎え火
「海に行きたい」彼女がその台詞を言うのはもう五回目だ。

家飲み
僕らは酒を飲むくらいしか、やることが無くなってしまった。

彼女の部品
「わたしのどこが好き?」



積乱雲とリノリウム
彼女は絶対に僕と挨拶をしない。何故かは分からないけど、絶対にしないのだ。

真夏日のテトラポット
僕と彼女は今日もテトラポットに座っていた。

バミューダサンカク、おにぎりはまる
「今日は、お花見は中止だね」

雨垂れのロールシャッハ
僕は本棚の間を一つ一つ覗き込んで、竹内さんの姿を探した。竹内さんは雨の日には大抵図書館にいるはずだ。

人込み都会のワンピース
「やっぱ、来るの止めればよかった」竹内さんは弱々しい声で呟く。

動物園のダブルデート
「あのコ、可愛いね」竹内さんは象を見ながらそう言ったが、どうやら象のことでは無さそうだった。

虹色の貝殻
「貝殻?」ハルはそう言った。こいつは何が言いたいんだろう?

冷蔵庫とインテリジェントサル
「ねえ、思うでしょ?」竹内さんはもう一度そう僕に訊いて、僕は笑って頷いた。

天使と死神と水色日傘
「ほら天に召されるよ」僕は彼女の指差した方を見る。



ジェリービーンズ
女からいい話が聞けるのは、大抵、二人して天井を見上げる時だ。

共感について考えよう
他人の気持ちを理解するのは難しい。むしろ無理じゃないかと僕は思う。

二重飛びの歌
僕の小学校では学年ごとの縄跳び大会っていうのをやってたんだ。

所有についてかんがえる
実際その頃、僕は殆ど駄目になっていた。

マリオコンプレックス
スーパーマリオをやっていると麻里が入って来た。麻里は弟の彼女だ。

誰かが嘘をついている
昨日私、浮気しちゃった。喫茶店で彼女は髪の毛をいじりながらそう言った。

彼女が成仏できない理由
彼女は煙草をくわえたままで、長い前髪を邪魔そうにかきあげた。

泥臭い文系の魚と理系の山羊
『私はもうこの町にも、あなたの側にもいられないの』

人類が滅亡する頃にきっとゴハンは炊けるだろう
電話で僕の彼女がこう言った。私たち、いつ駄目になってもおかしくないわ。

うち捨てられた惑星
ここにいる僕らは喩えるなら『うち捨てられた惑星の住人』たちだ。

便利なナマエ
「私の名前が彼女と同じってお得よね」

ガーデンチェアー・冬の予感
君はいつもキッカリ午後五時にここを通り過ぎる。

デート前夜
「明日こそ、付き合ってくださいって言おうと思うんだ」彼はそう言う。

白い悪寒・生きた証・静かな叫び
「失敗したね」僕はそう呟いた。

二つのよいウソ(原案 こがらし)
「例えば、一生バレない人を幸せにする嘘、すぐにバレる人を楽しませる嘘」

O・ヘンリ
O・ヘンリは僕が中学生の頃、好きだった女の子が好きだった作家だ。
凩 優司

It's time to say good-by
時は流れる。それは無情なほどに、残酷に。

タイナイカイキ
僕はそっと、地面の上に横たわり、それの上へ頭をのせる。

empty
確かに空間が広がっている、と。

青空色の絵の具
雲間から差す光は全て、彼女に降り注いでいるように見えた。

僕は其処に
鏡を見ると、そこにいつも僕はいない。

放課後の秘密
「ちょ、ちょっと待て。そんな目で俺を見るな。誤解、誤解だよ」

closed space
このままなら、遠からず僕たちは死ぬだろう。
煎餅屋光圀

雨宿り
時計が右腕で雨に濡れるのを見た。時間は午前1時。

原初の記憶
世界中には7人ほどよく似た人間が存在するというけど、大抵は会わずに一生を終える物だ。

浜辺にて
浜辺の何が良いって、ちっとも楽しくないところが最高だな。

コーヒーブレイク
リビングにちょこんと座っている少し幼い感じの女の子は笑顔で頷いた。

裏方
だから、今度の花火で終わりにしようと決めたんだ。

雪待ち
ヨリは目を輝かせて、さっきから同じ事を何度も呟いている。

ブリキの船
志乃が僕等の前から姿を消して一ヶ月が経とうとしている。
KENSEI

Breakable
俺はソファに座ろうとしたが、尻に固い感触がして、腰を浮かせた。

Fade In-Out
由里子は街灯の下、振りかえる。いつも、ここまでしか送らない。

Heartache
あいつはいいヤツかも知れないけど、好かれたってしょうがないよねー

A Drop Of Snow
「……行けよ、ドイツ。チャンスだろ? 行っちまえ」

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